Kissa by Kissa: 路上と喫茶
僕が日本を歩いて旅する理由
クレイグ・モド今井栄一 訳
- 本の販売:¥2,500 BOOKNERD 盛岡
東京から京都を結ぶ、全長一千キロの旧中山道を徒歩で歩いた。 東海道を歩いた。熊野古道を、伊勢路を、歩いた。いつも一人で。 郊外の寂れた町々、農村、パチンコ・ロード、そして喫茶店と人びととの会話。
すべての長距離ウォークとは、結局のところ、世の中のおかしなことや馬鹿げた政治世界への抗議運動である。道を歩いているとき人は、目の前に広がるありのままの世界と対峙することになる。そこには抽象的なものなどひとつもない。注意を怠らずにいれば、一マイル、一マイルを身体で感じられるし、自分の目の前に「社会の姿」が立ち上がってくる。
喫茶店から喫茶店へと足を運び、アメリカンを飲み、ピザトーストを食べ、自分の中にこの喫茶店巡りの歌が、こだまのように響いているような気がする。それがなんの歌かはわからない。どれくらい歌が続くのかも不明だ。でも、この歌の響きと、喫茶店の存在そのものが、僕の気持ちをつなぎとめていた。
(本文より)
喫茶店。パチンコ店。田園。山道。シャッターの降りた商店街。 アメリカ人である著者が徒歩で古き良き日本の街道を歩き、見つめた失われゆく日本の姿を、写真とテキスト、そしてたくさんのコーヒーとピザ・トーストとともに文化考現学的視点で捉えた、日本在住の作家・ライター、クレイグ・モドによるまったくあたらしいロード・エッセイ。
2020年に彼が英語版で自費出版した『KISSA BY KISSA』を、当店出版部より装いも新たに日本語版として刊行。日本版独自のあとがきを追加。
The Japanese edition of KISSA BY KISSA, published by Craig Mod in 2020, will be published by our store on November 25. International shipping will be available. The first pre-order will be signatured by Craig.
B6版・仮フランス装・160ページ
Craig Mod クレイグ・モド/ 作家、写真家、歩いて旅をする人。 1980年、アメリカ・コネチカット州生まれ。2000年より日本在住。 著書に『Things Become Other Things』(2023年)、『Kissa by Kissa 日本の歩き方』(2020年)、『Koya Bound 熊野古道の8日間』(2016年)、『僕らの時代の本』(2015年)、『Art Space Tokyo』(2010年)など。『The New York Times』『Eater』『The Atlantic』『The New Yorker』『WIRED (米国版と日本版)』などに寄稿・執筆。
(2024年・BOOKNERD)